骨折とは?
定義
骨折とは、外力により骨の連続性が部分的にあるいは完全に断たれた状態である。
原因による分類
外傷性骨折
骨がもつ抵抗力を上回る外力が加わったときの骨折で、直達骨折と介達骨折があります。
直達骨折は外力が直接的に作用した箇所での骨折(直達外力による骨折)で、介達骨折は外力が作用した箇所から離れた箇所で起こる骨折(介達外力による骨折)です。
実習で陽性モデルを処分する際に、パイプを叩くと陽性モデルが砕けていきますよね?
このように、介達外力とは与えた衝撃が別の場所に伝わって発生しているのです!
病的骨折
病気により骨が弱くなってしまい、外力を加えられなくても、あるいは本来であれば骨折しない程度の外力で起こってしまう骨折です。
疲労骨折
骨の同じ箇所に小さな外力が何度も加わることにより、疲労(ダメージ)が蓄積されて起こる骨折です。
以前は軍人さんが隊列を組んで行進する際に、中足骨、脛骨などが骨折し“行軍骨折”と呼ばれていました。
現在の日本ではアスリートの方に多い骨折です。
プラモデルのパーツを何回か手でグリグリ動かすと、フレームから取れるのと同じイメージです。
部位による分類
- 骨幹骨折
- 骨幹端骨折
- 脱臼骨折
- 骨端骨折または関節内骨折
本来、骨折時では治癒に必要な栄養素が血流に乗って供給されるのですが、関節内では血液循環が乏しくなってしまいます。
そのため、関節内での骨折は骨癒合が不良となります。
損傷の程度による分類
完全骨折
骨が完全に折れた状態のことです。
医学的には“骨の連続性が完全に断たれた骨折”と表現します。
不完全骨折
骨折はしているけど、一部はまだつながっている状態の骨折です。
医学的には“骨の連続性が部分的に断たれた骨折”と表現します。
骨折の仕方による分類
裂離骨折
筋, 腱, 靭帯などの牽引によって生じる骨折です。
一般的には「剥離骨折」の名称で知られてる骨折ですね。
屈曲骨折
長管骨骨幹部骨折に多い骨折で、骨に屈曲する力が加わったことで生じます。
軸圧骨折
骨の長軸方向に両側から圧迫が加わったときに発生する骨折です。
圧迫骨折
脊椎骨, 踵骨などの短骨に軸圧が加わることで、骨が押しつぶされる骨折です。
剪断骨折(せんだんこっせつ)
大腿骨頸部内側骨折などにみられ、2つの力が平行に、かつ反対方向に作用するときに生じます。
捻転骨折
長管骨の両端で、骨にねじれるような力が発生したときに生じます。
粉砕骨折
大きな外力によって骨が粉々になり、多数の小片となってしまう骨折です。
骨折線の走行による分類
骨折時に、ひび(骨折線)がどのように入ったかでも呼び方が変わります。
その中でも有名なものを紹介します。
- 横骨折
- 斜骨折
- 螺旋骨折(らせんこっせつ)
- 圧迫骨折
- 若木骨折, 竹節骨折
- 粉砕骨折(細片骨折)
- くいこみ骨折
- 裂離骨折(引きちぎり骨折)
- 陥没骨折
外界に触れているかどうかによる分類
皮下骨折, 単純骨折
骨が皮膚の中で骨折した状態のことです。
開放骨折, 複雑骨折
骨折したときに骨が皮膚から飛び出してしまった骨折のことです。
(治療が)単純な骨折 → 皮膚の中
(治療が)複雑な骨折 → 皮膚の外
と、覚えると混同しないと思います!
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