合併症
骨折の合併症は急性期か慢性期かでいくつかあるのですが、今回はその中でも中々イメージがしづらいのではないかと思われるものを紹介します。
急性期
脂肪塞栓
大腿骨や骨盤など大きな骨が骨折した際に、骨髄内の脂肪滴が静脈に入ることで、肺や脳に塞栓を起こし、重篤な合併症となることがあります。
阻血性拘縮
腫れがひどくなり、コンパートメント内の内圧が上昇することで、血管や神経が圧迫され、血液や神経が末端まで行き届かなくなり、拘縮を引き起こします。
代表的なものでは前腕部のVolkmann(フォルクマン)拘縮や、下腿の脛骨前筋症候群などがあげられます。
慢性期
骨癒合遷延(こつゆごうせんえん)
骨癒合が遅れている状態です。
偽関節
骨折端の間が結合組織の癒着を起こし、痛みを伴わない異常な可動性をもつ状態です。
好発部位
- 上腕骨外科頸
- 手部舟状骨
- 大腿部頸部
- 脛骨中・下1/3
- 踵骨
無腐性壊死
感染症以外の何らかの理由により、骨に血液が行き届かなくなることで起こる壊死です。
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