股義足の種類とアライメントの基礎!

代表的なソケット

カナディアンソケット

カナディアンソケット

特徴
 ソケットの開口部は前面部におき、側方への支持を損失しないようにする。
 また、体重支持部は強度をもたせ、後面と健側は軟らかくして、ソケットの着脱が容易となるようにする。
 懸垂は、腸骨稜の上までのばされたソケット部が腸骨稜上部の形状にあうようにくい込ませることにより可能となる。
股義足_採型手技 ※ 拡大可能
 また、この形状はソケット内での断端の回旋を防ぎ、患者がソケットを正確に装着するための目安となる。

ダイアゴナルソケット

ダイアゴナルソケット

特徴
 小転子より近位の大腿切断に最も適している。
 この切断であると、大転子と腸骨稜の間の軟部組織に十分な加圧ができ、側方への安定性と懸垂が得られやすい。
 患側の腸骨稜のソケット部分を大きく除去して、ベルトによる懸垂に代えたものである。
 カナディアンソケットより軽量で涼しく、外観上も優れるが、腸骨稜上部の懸垂が困難な肥満者に対しては処方に際し注意を要する。
 ソケットの開口はカナディアンソケットと同じように健側および健側の前面である。

片側骨盤切除用ソケット

片側骨盤切除用ソケット

特徴
 片側骨盤切除用の股義足ソケットは、残存している部分に骨性の支持部がないために油圧の原理と同じように軟部組織を固いケースに入れて適度な圧力をかけて、体重の支持をさせる方法をとるものである。
 また、ソケットは軟らかい内臓に圧力を加えるだけでなく不必要な圧力を防がなければならない。
 特に、骨による保護がない膀胱に対して特別な配慮をしないと、荷重時にいつも膀胱が満杯かのような不快感を訴える。
 一般的にはソケット上縁は第10肋骨以上の深さが必要といわれている。しかしこの場合はソケットが深くなり、体幹の前屈を制限するためソケット前面のトリミングを低くするなどの工夫が必要である。

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