トゥ角とキャンバ角
この2つの角度は車椅子の車輪のアライメントに関わる重要な角度になります。
車好きな方や整備の経験がおありの方は馴染み深い用語かと思います。
しかし、それがかえって混乱させる原因になることもあるのです!
詳しく見ていきましょう!
トゥ角
トゥ角は水平面からみた車輪のなす角度のことです。
義足のアライメントと同じで、トゥ・イン(マイナス)は車輪の前方が内側に、トゥ・アウト(プラス)は外側に向いている状態をいいます。
自動車はほとんどの場合、前輪をややトゥ・インさせることで直進性能を高めています。
しかしそれは4輪の場合にいえることであり、2輪の車椅子においては違います。
車椅子にトゥ角をつけるとハンドリムが回しにくくなったり、まっすぐ進まなかったりと何ら良いことはありません!
これは国家試験でも混乱させる選択肢としてよく出ますので、“車椅子のトゥ角は0°”と覚えておいてください!!
キャンバ角
キャンバ角は前額面からみた車輪のなす角度のことです。
車輪の頂点が内側に向いている場合をマイナス、外側に向いている場合をプラスと定められています。
キャンバ角をマイナスにすると
- 側方の安定性が増す
- ハンドリムが利用者に近づくため、操作がしやすくなる
- その場での旋回性能が向上する
このような利点があります。
スポーツ用車椅子の車輪がいわゆる“ハの字”の状態になっているのはこのような理由からなんです!
一見すると良いことづくめなのですがキャンバ角をマイナスにすると車椅子の横幅が広がってしまうため、通路が狭い家屋で使用する場合には注意が必要です。
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