髄鞘と脱髄
髄鞘は中枢神経と末梢神経とでその構成細胞が異なります。
オリゴデンドログリアとシュワン細胞
有髄神経 | 無髄神経 | |
中枢神経 | 末梢神経 | |
オリゴデンドログリア (オリゴデンドロサイト) |
シュワン細胞 | |
※ 拡大可能 |
※ 拡大可能 |
※ 拡大可能 |
1つのオリゴデンドログリアが複数の軸索に対し、髄鞘をつくる。 | 1つのシュワン細胞が1つの軸索に対し、髄鞘をつくる。 | 1つのシュワン細胞が細胞質だけで複数の軸索を包んでいる。 |
ちなみに、視神経は末梢神経でありながら、髄鞘は“オリゴデンドログリア”で構成されています。
脱髄
脱髄とは、その名の通り、“髄鞘が脱してしまうこと”です。
より詳しくいうと“髄鞘には障害がみられるが、中の軸索は保たれている現象”のことを指します。
脱髄により跳躍伝導が上手くできなくなってしまい、中枢部と末梢部の情報のやり取りが遅延、あるいはSTOPしてしまうため、様々な症状を引き起こす原因となります。
代表的な脱髄疾患
ギランバレー症候群
- 末梢神経での脱髄(シュワン細胞)
- 自己免疫疾患
- 発熱, 胃腸炎, 下痢などの先行症状がある
- 運動麻痺が下肢から起こっていき、呼吸困難に陥ることもある
多発性硬化症
- 中枢神経での脱髄(オリゴデンドログリア)
- 急激な視力低下から始まる
- 再発と寛解を繰り返すが、生命予後不良。
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